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スタンディングオベイションにスタッフ一同感動。

2010年11月11日
COP10名古屋議定書の採択

COP10名古屋議定書の採択

- 全会一致で名古屋議定書を採択! -

2010年10月30日午前2時45分頃、COP10を開催する名古屋国際会議場のイベントホールにおいて、全会一致(193の国と地域)で名古屋議定書が採択されました。

「積み木を積み上げては、また崩れ、また積み直す、という作業を辛抱強く続けてきた」

との松本龍環境大臣(COP10議長)の言葉の通り、うまくいきそうだと思っても、また振出しに戻り、妥協を求めながらも条項の訂正を続けるという大変な作業が続いていました。

この会議のエンディングは異例ずくめでした。

前日からの分科会が長引いたせいで本会議のスタートが15時から17時に遅れただけでなく、本会議を開始しても遅れた分科会がそのまま進んでいました。また、18時には、次回開催地インドが主催するパーティが開かれるため、松本議長が「7時半まで中断」と宣言したのです。

緊張が続いた議事を中断したパーティでは、さまざまなスピーチ、歌、踊りが続き、「We are the world」の大合唱も会場中をこだましています。

約束した7時半はおろか、夜の電光掲示板に映された「9時再開」の表示があっても、なかなか再開する気配がありません。同時通訳者たち(国連公用語:英語・中国語・ロシア語・アラビア語・フランス語・スペイン語)も、各国の代表団も会場に集まっていますが、檀上の議長やCBD事務局の方々は戻ってきません。

11時を過ぎたころ、拍手が沸き起こりました。壇上に戻る松本議長らに対して、各国の代表団たちが大きな拍手を送っているのです。「ひょっとして採択されるかもしれない」と直感した瞬間です。しかし実際には、ABS(生物資源の利用に関する条項)など、いろいろな意見が提出されて、すんなりとは決まりません。

しかし、1時30分頃、条項を3つに分けて採決するなど進め方を工夫して、ついに、ABSの条項が採択されました。この時こそは会場の代表団も総立ちで拍手の渦です。誰もが「いける」と確信しました。以降、各国の発言の中にも「松本議長のおかげ」「名古屋のおかげ」「日本のおかげ」などの賛辞も加わり、名古屋議定書採択の最終ゴールへと一歩一歩近づいて行きました。

午前2時45分頃の採決後、ステージやフロアでは、採択の喜びに沸いています。しかしここ国際メディアセンターでは「3時25分から記者会見!」の声が飛び交い、あわただしくなりました。本会議場からは、多くのテレビカメラ、記者たちが押し寄せてきます。私たちの最後の仕事が始まります。

(東京KS)